DESIGNER'S INTERVIEW vol. 02

「永く愛される製品は、どの年代の気持ちにも寄り添えるものだと思います」
シニアデザイナー 真柄菜菜

G.C.PRESSが誇る、“100種以上のオリジナルデザイン”のペーパープロダクト。これらを支えるインハウスのデザイナーにインタビューします。第2回目は、シニアデザイナーの真柄菜菜さんに、手がけたプロダクトができるまでのエピソードを伺います。


デザインのヒントは、アンティークのレース

G.C.PRESSのペーパークラフトの特徴に、永く愛されている製品が多いことがあげられます。優雅なデザインが人気のロングヒットプロダクト「ハート フル レース」がそのひとつ。この製品も、真柄さんが手がけたものです。

「これは、アンティークショップで見かけた、古いレースからインスピレーションを得て、デザインしました。大量生産の製品にはない懐かしい図案の趣きがとても魅力的でした」

「ハート フル レース」の繊細なディテールをより華やかにみせる、独特な光沢が美しい紙質です。

「パールの紙に白い印刷をかけて、かつエンボス加工を施しています。白い印刷をかける時、シルクスクリーン印刷(※)にするとインクが厚くなり、繊細なディテールがいかせないと感じたので、オフセット印刷の白を採用しました。白い色が上品にのるので、デザインに合っていると思います」

気品のあるデザインが人気を博し、「ハート フル レース」は紙と印刷加工のバリエーション違いを加えながら、永くファンに愛用されるプロダクトに成長しました。真柄さんは、永く愛されるプロダクトについて、こう語ります。

「売れないものは売り場に置いてもらえません。だから、自分がいいと思う! という気持ちだけでデザインをしても、多くの人に手に取ってもらうことは難しいんです。永く愛されるためには、若い人から年配の人まで、どの年代の人の気持ちにも寄り添えるデザインとなるよう心がけることが大切だと思っています」

※版画技法のひとつ

表紙の絵柄を額装しても、見栄えがするほどのクオリティーに

ロングセールス製品が多いことのほかに、プロダクトにストーリーがあることもG.C.PRESS製品の特徴のひとつ。その代表格といえば、真柄さんが手がけた「GOOD LUCK!」シリーズのペーパープロダクトです。

「昔から人々は縁起物や願掛けが好きですよね! 幸せを願う気持ちは、今も昔も変わらないものの一つだと思っています。『GOOD LUCK!』シリーズには、送る人も使う人もこのモチーフで気分を盛り上げてもらいたい、という気持ちを込めました」

最初は見た目のデザインで製品を手に取り、その後、裏面を見てモチーフが持つラッキーな意味を知る…。そんなコンセプトも支持され、今では押しも押されもせぬ大ヒット製品に。

「最初は、四葉のクローバーとバラと音符の便せんをリリースし、その後、続編として、ラッキーシンボルシリーズが企画されました。単独で成立するような意味の強いモチーフをチョイスしながら、徐々に12種まで広がったのです」

現在販売されているのは、四葉のクローバー、ハリネズミ、黒猫、ハート、天使、フェザー、バラ、カエル、太陽、ふくろう、ウサギ、鍵の12シンボル。「デザインと表現が決定するまで、試行錯誤はつきもの」だと真柄さんは話します。

「デザインは必ず社長に見ていただき、アドバイスを頂戴します。『GOOD LUCK!』シリーズのウサギを例にお話しすると、最初は、モチーフを大きく印象づける表紙のカラー案は、こげ茶でした。でも、社長は『ピンクがいい!』と一蹴(笑)。私にはウサギとピンクの組み合わせが、女性的イメージが強すぎるように感じましたが、あえて選んだ派手なピンクが功を奏し、売り場で目を引いたようです。おかげさまで、今ではたくさんの方に愛用いただいています」

多くの人に愛されている『GOOD LUCK!』シリーズは、真柄さんにとっても特別な存在です。

「社長のアドバイスや印刷加工業者の方々に協力していただいたおかげで、『GOOD LUCK!』シリーズが完成しました。表紙のモチーフだけを取り出して額装しても、見栄えがするクオリティーだと自負しています。表紙は使うご本人に楽しんでいただき、中の便箋は手紙を送る相手の方に楽しんでいただければ幸いです」

自分の感性を信じながら、周囲の意見にもきちんと向き合う真柄さん。その謙虚さが、永く愛されるプロダクトの源流なのだと感じました。

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シニアデザイナー 真柄菜菜(まがら なな)
金沢美術工芸大学産業美術学科商業デザイン卒。G.C.PRESSに入社以来、同社を代表するプロダクト「GOOD LUCK!」シリーズや花丸文シリーズなどのデザインを手がける。